野球肘について指導者や選手に知っておいて欲しいことをなるべく簡単に解説していきます。
野球肘の基礎知識はこのブログを読んでもらえればOKです。
ケガ無なく野球を楽しむために勉強していきましょう。
では始めます。
野球肘とは?

正式には「投球肘障害」と呼びます。
投げることによって起こる肘の外傷という意味です。
もう少し説明を加えると「ボールを投げることで肘にかかるストレスから起こる痛みや制限」です。
詳しく解説していきます。
野球肘にもいろいろな原因があります。
肘を痛める原因は
- 投げ方が悪い
- 投げすぎている
- 両方とも
- 先天性のもの(OCD)
ざっくりとこんな感じになります。
また部位別でも
- 内側障害
- 外側障害
- 後方障害
と分かれます。複雑ですよね。
なので専門の医療機関での診察や治療が必要なんです。
ボールを投げることで、肘の筋肉・腱・靭帯・骨・神経にストレスが加わり痛みを引き起こします。
どの部位が痛みを起こしているかによって治療法が変わってきます。
そのためこれをやっておけばいいというのは言い切れません。
野球肘の原因

肘を痛める原因の多くは“投げすぎ”と“投げ方が悪い”の2つです。
投げすぎ
特に投手・捕手は他のポジションよりも多くボールを投げることになります。
ケガをするリスクはかなり高いと言えます。
最近では日本でも投球数について制限がしっかりと定められてきました。
学童部:70球以内(小学4年以下は60球以内)少年(中学)大会中1試合で100球、1週間350球
公益財団法人全日本軟式野球連盟HP引用
しかしこれは参考の球数です。
この範囲ならケガをしないということではないのです。
試合中はこの球数で抑えていても、練習で投げ込みすぎていては意味がないということ。
選手それぞれにあった量の投球にしなくてはいけません。
投げ方が悪い
投げ方に正解はないのですが、理想の投げ方はあります。
それは体に負担の少ない投げ方。
ひとがボールを投げる以上、肘への負荷が0ということはあり得ません。
プロ野球のどんなきれいな投げ方の一流投手でも肘に負担がかかっています。
それをケアやトレーニングでケガにならないようにしているのです。
肘に負担のかからない投げ方にはいくつかのチェックポイントがあるの知ってますか?
そのポイントを押さえていれば肘のケガをするリスクは軽減できます。
専門的に投球動作を学んでいる理学療法士やトレーナーに指導してもらうことが必要です。
野球肘のメカニズム~子供と大人の野球肘はちがう~
野球肘といっても子供と大人では考え方が違います。
その違いについて解説していきます。
子供(成長期)の野球肘
ここでいう子供とは“骨”の状態で判断します。
骨がどう違うかというと「骨が成熟しているかどうか」。
これで子供か大人かに分かれます。
子供の骨は成長して大きく・長くなるために成長軟骨が存在します。
軟骨部分は肘の筋肉や靭帯よりもストレスを受けやすくて、壊れやすいのです。
(子供の野球肘の原因がすべて成長軟骨という訳ではないので注意)
この成長軟骨が損傷しているかどうかは、理学所見やレントゲン、超音波検査などで専門の整形外科医が診断します。
整形外科がある病院で診てもらってくださいね。
もしこの軟骨部分に負担がかかり損傷している場合は先生の指示に従って治療しなくてはいけません。
適切に治療しなくては後遺症が残る場合もあるので。
後遺症とは、肘の可動域制限や変形、神経症状などです。
治療の内容は肘の状態や先生の治療方針によって違ってきます。
大人(成人期)の野球肘
子供は成長軟骨にストレスがかかりやすいのですが、大人の場合は筋肉・腱・靭帯などがストレスを受け損傷しやすくなります。
年齢でいうとおおよそ17歳くらいを境目に筋肉・腱・靭帯の障害が増えてくるとされています。
そのころに成長軟骨がしっかりとした骨になるためです。
ただ、骨の成長度合いは個人差があるので年齢だけで判断はできません。
どこの部分が損傷しているのかは専門医に確認してもらう必要があります。
大人の野球肘で特に注意したいのが靭帯です。
13~14歳ごろから身体は硬くなりやすいと言われています。
また、筋肉もしっかりとついてくる時期ですね。
体は硬いが筋肉は強い=ケガをしやすい。
投球動作は柔軟性がないと様々な部位に負担をかけることになります。
肘に負担がかかるフォームで投げてしまっている選手も多くいます。
まとめ
- 野球肘には専門的な知識が必要。
- 成長期と成人期で治療が異なりケガしやすい部位も変わってくる。
- 投手・捕手は負担がかかりやすいので投球数に注意
- 肘のストレスは0にはできないが理想の投げ方で少なくできる。
今回はこれで終わります。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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