小学校の体育やスポーツ選手、ご高齢の人まで行われるストレッチ。なぜストレッチが必要なのでしょう。
怪我をしないため?体を動きやすくするため?
どちらも正解です!
でもストレッチはもっと奥が深くて方法も様々です。ここではストレッチについてまとめていきたいと思います。
ストレッチの目的
- 筋伸張性と関節可動域の改善
- 血流改善と疲労回復
- 障害予防とパフォーマンス向上
があげられます。
1つずつみていきましょう。
筋伸張性と関節可動域の改善
筋の伸張性低下の原因は筋線維の不動により起こります。
筋線維を包む筋内膜(コラーゲン線維)が硬くなる(分子が結合する)ことで伸張性を失います。
ラットの実験では分子の結合状態は改善しないものの、ストレッチを行った方はコラーゲン線維の可動性向上により伸張性改善が認められています。
また、骨格筋と腱には筋紡錘と腱紡錘という感覚受容器が存在します。
筋紡錘は筋の長さを感知するもので、速く伸張されることによりその筋の収縮を起こします。(伸張反射)
腱紡錘は腱の伸張刺激を感知し、感覚(Ib線維)神経を介しその筋の筋力を低下させます。(Ib抑制)
そのため、ゆっくりとした伸張と最終域での持続伸張を意識してストレッチすることで伸張性が改善され関節可動域を改善することができます。
血流改善と疲労回復
筋線維には多くの血管があり酸素や代謝産物の交換が行われています。
この血管の血流は弱いあるいは中等度の筋収縮で増加し、強い筋収縮では筋内圧が上昇し遮断されます。
短時間のストレッチでも筋内の血流改善の効果が期待できるとされています。
疲労した状態とは、乳酸や炭酸ガス増加による細胞内phの低下や無機リン(Pi)の増加たした状態で、ATP合成、筋収縮の機能低下を起こすとされています。
ストレッチにより、筋内の血流増加が起こり、代謝物が排出され疲労回復することがいえます。
障害予防とパフォーマンス向上
柔軟性が低い人は平均的な人と比較し2倍、柔軟性が高い人と比較し8倍障害のリスクがあるといわれています。
また、動物実験では運動前(1時間・1日・3日・14日いずれも)のストレッチにより筋損傷の程度、炎症反応の数値が低くなったと報告されており、障害予防の可能性を示しています。
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